ホスピス イギリスの末期医療の現場報告・2
D. H. サマーズとの対話[2]—患者の死と看護の役割
柏木 哲夫
1
,
D. H. SUMMERS
2
1淀川キリスト教病院精神神経科
2St. Christopher's Hospice
pp.178-183
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918883
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入院患者に見守られながら死を迎える
柏木 ホスピスで実際に患者が死を迎える場合,どのような形で死を迎えるのか,少し説明してください.
サマーズ ほとんどの場合,私たちは1人の患者が死を迎えるとき,同じ病室に居る他の患者がそれを見ることが,とても大切で,良いことだと思っています.ですから,患者が死を迎えようとしている時に,私たちはカーテンを引くということはしません.しかし,患者の死が数分後に迫っているという場合には,私たちはカーテンを引きます.それには2つの理由があります.1つは,病棟の婦長が患者の枕元でプライバシーを尊重しながら,祈りを捧げるためです.もう1つは特に家族が臨終の場に居る時に家族が十分に悲しみを表現したり泣くことができるようにするためです.
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