ひとりぼっちの遊学記—働きながら学んだイギリスの看護・9
愛すべき婦長さん
高橋 克子
1
1志村保健所
pp.994-996
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918779
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四季の変化を目前に見せてくれるような,自然の多い,小さな田舎町サトンの病院に別れを告げた私は,‘日の沈むことのない国’の首都,かつて栄光を誇ったロンドンのほぼ中心に位置しているナショナル・ホスピタルに勤務替えをしました.ナショナル・ホスピタルは脳神経疾患の病院として有名です.
ナショナル・ホスピタルは,都会の中の古めかしい病院で,継ぎ足しの新しい病棟を加えたベッド数700程度の病院です.気のせいでしょうか,古い正面玄関や病棟を見ていると,ナイチンゲール時代の看護が温存されているような錯覚を覚えます.疾病も脳神経とあってか,マルスデン・ホスピタルとはまた違って,患者を含めた出来事ひとつひとつが,とても興味深い対象として眺められます.まず,私の興味の対象がシスターたちでした.
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