切り取りカード 看護ミニ事典
神経性食欲不振症/性格テスト2(質問紙法)
末松 弘行
1
1東京大学医学部付属病院分院心療内科
pp.337-338
発行日 1979年3月1日
Published Date 1979/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918640
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本症の典型例は若い女性で,ほとんど食べなくなり,30kg前後(標準体重の80%以下)にやせて,月経がなくなる.このような状態が3か月以上続くのに,患者は活発に動き回り,自分では病気と思っていない.家族が心配して病院につれて来て,消化器などの検査を行っても,食欲不振をきたすような身体的な病変は見いだされない.分裂病など内因性の精神病ではないが,精神的な原因で起こる病気である.
多くの場合,太っていることを気にして,やせようとして自ら節食することから始まる.しかし,これほどひどくやせるのは,何事も徹底的にやらないと気がすまない完全癖の持ち主である.また,あまり長期に無理な節食を続けていると,間脳の食欲中枢のコントロールも乱れてきて,満腹なのか空腹なのか分からなくなり,本当に食べられなくなる.単に太りたくないばかりでなく,大きくなりたくない,すなわち,女性として成熟したくない気持ちをもっている.
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