透析療法と看護・2
人工透析の適応
東條 静夫
1
,
稲毛 博実
1
1筑波大学臨床医学系内科
pp.197-200
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918611
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はじめに
現在,我が国の人工腎臓装置は1万台を超す状態であり,慢性透析療法を受けている患者の数は2万3000人近くいると思われますが,十数年前には50台ほどの人工腎臓装置しかなかったことを考えますと,その普及の速さには驚かざるを得ません.このように透析療法が急速に普及した背景には,透析装置の改良やディスポーザブルのダイアライザーの普及があったこともありますが,1972年に透析療法が更生医療の適応を受けるようになり,経済的な背景が(不十分とはいえ)大きく改善されたことが影響しているように思われます.
現在の我が国の透析療法は,一応その需要をまかなえるところに至ったと思われますが,数年先・数十年先を考えるとき,収容能力その他の様々な背景についても決して満足できるものではありませんし,現状での問題も山積みされています.本章では,主に透析療法が現状で持つ有用性とその適応について少し触れてみたいと思います.
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