今月の主題 最近の腎疾患の基礎と臨床
ネフローゼ症候群の臨床
原発性ネフローゼ症候群
稲毛 博実
1
,
東條 静夫
1
Hiromi INAGE
1
,
Shizuo TOJO
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.510-512
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216474
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概念と診断基準
ネフローゼ症候群とは,特徴的な臨床諸症状を呈する症候診断名であり,その主体となる原疾患は原発性腎(糸球体)疾患であることは,周知の事実であろう.
ネフローゼ症候群の主要徴候としては,高度の蛋白尿,低蛋白(アルブミン)血症,高脂血症ならびに浮腫があげられるが,普遍的診断基準としては,数量的に明示し,同一条件下で診断して,その病態,治療効果を検討することが望まれる.このような意図のもとに設定された成人ネフローゼ症候群治療研究会1)の診断基準を表1に示した.
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