救急医療と看護・21
救急医療をもう一度考える
小浜 啓次
1
1川崎医科大学救急医学教室
pp.1321-1324
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918571
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昭和52年4月から始まった‘救急医療と看護’は今回で第21回を迎えるが,これをもって,一応このシリーズを終わりたいと思う.過去20回の連載で,救急医療・救急診療のすべてを述べたわけではないが,そのおおよそについては述べられたものと思う.今回のテーマとしては‘重症救急患者の看護’をと考えたが,最終回でもあるので,もう一度最初に戻つて,救急医療について思いつくままのことを述べてみたいと思う.
救急医療は社会的にみて,消防署や警察署の役割と同様に,行政(国・県・市町村)が解決すべき問題であり,そのためには,行政が中心となって救急患者を受け入れる救急病院を初めとして,理想的な救急医療体制を作っていかなければならない.現在,昼間には数多くの病院・診療所が診療を行っており,特別の混乱なく救急診療を行うことができる.しかし夜間・休祭日・土曜日の午後などは,これらの病院・診療所のほとんどが診療を行っておらず,はつきりとした救急患者の受け入れ病院がないといえる.それゆえ,夜間・休祭日には,公的にはっきりとした救急病院を行政が作らなければならない.
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