切り取りカード 看護ミニ事典
ラポール(Rapport)/川崎病(Kawasaki disease, MCLS)
中島 紀恵子
1
1千葉大学・看護学部基礎保健学
pp.561-562
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918403
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ラポール(ラポー,あるいはラポートとも表記する)とは,‘会話’を通して人間を内側から把握し,おきている事象を深く理解しようとする社会諸科学の分野で,広く使用されている用語.看護学の領域へは,主に臨床心理学,精神医学の臨床領域(心理療法,カウンセリング等)から導入された.
心理療法やカウンセリングの基本的な考えは,セラピスト(訓練を積んだ専門家=相談者)とクライエント(患者=被相談者)とが,ある目標に向かって,両者相互に心理的手段を媒介にして,一定の治療成果をあげることにある.そのような心理療法やカウンセリングが成立するためには,セラピストとクライエントの間に一定の心理的接触が保たれ,お互いがお互いを知覚し(され)認知し(され)ていること,さらに言語的コミュニケーションが可能であることが最低限必要である.そして,より効果的な治療過程を作りあげてゆくためには,できるだけ早い時期に両者の間に一種の“あたたかい感情”の交流が存在することが必要であると考えられている.
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