ベッドサイドの看護
ボケを伴った老人骨折患者の看護
新舘 知江子
1
1国立国府台病院整形外科病棟
pp.178-181
発行日 1978年2月1日
Published Date 1978/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918325
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はじめに
近年,人口の老齢化とともに高齢患者も増加の傾向にあり,整形外科病棟においても例外ではない.代表的疾患としては,大腿骨頸部骨折,変形性脊椎症,骨粗鬆症,変形性膝関節症等があげられる.特に老人の骨折患者の場合,受傷時既に重篤なあるいはかなり進行した心疾患,腎疾患,動脈硬化症,脳軟化症などの合併症を有する場合も多く,必然的に長期臥床を強いられる傾向にある,同時に,骨癒合力の低下やリハビリテーションに対する意欲の無さが入院生活の長期化を助長していることも否めない事実である.また,新しい環境に対する順応性の低下や外傷による心理的ショックや焦燥感,更に記憶力の低下や見当識の減退など,ボケを中心とした老人性精神障害を伴うようなケースでは,とかく看護上困難な問題を生じやすい.
そこで今回,当病棟における高齢患者の中から一事例を選び,入院中の経過を追いながら,日常行われた看護実践の中での諸問題について考えてみたいと思う.
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