特集 病人の心への接近
肺癌を宣告された患者の心理状態を探る
池田 久美子
1
,
山崎 直江
1
,
池田 イツ子
1
1佐世保市立総合病院内科病棟
pp.688-694
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918190
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はじめに
近年,看護界では,‘死にゆく人々の看護’として,死の臨床がクローズアップされてきている.死という事実が人間にとって避けられない宿命であれば,当然,看護する者にとっても避けられない看護の一場面なのである.癌患者の場合,最後まで病名を偽り通すべきか,あるいは真実を告げ,患者と共に死について考え,悩み,最終的には平穏な死へと導くべきか問題となって残る.
最近,我々は,実際に家族より癌を宣告され,しかも予後不良を知った患者を看護する機会を持った,その心理状態を探りながら,癌の宣告は,この患者にとって,残された日々を有意義に過ごす上においてよかったのではないか,と考えられたので,ここに紹介する.
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