ベッドサイドの看護 特集/食事の援助
7歳まで粉ミルクで育てられた重心児の離乳を試みて
伊藤 カズ
1
,
古川 富子
1
1国立療養所千葉東病院第1重心病棟
pp.595-597
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918170
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はじめに
重症心身障害児病棟において,日常の様々な介護の目的が,基本的生活習慣の適応をはかることにあることはいうまでもない.特に,生命維持のための最低限である食事については,そしゃく,およびえん下困難などを伴い,固形物摂取に移行できない例は,少なくない.
当院でも重心児病棟が開設されて5年目を迎えたが,患児の約1/3は,離乳されないままに入院してきている.それらの事例の中から,左手指の中節骨欠損等の奇形をもつ患児で,7歳まで粉ミルクのみで育てられていたため離乳が困難で,約2年間にわたり離乳への働きかけをした事例を経験したのでここに報告する.
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