特集 ‘老い’の心
老いの心へのアプローチ—精神科医の立場から
木戸 又三
1
1東京都養育院付属病院精神科
pp.1138-1141
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918012
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老人の治療にあたっては,まず,彼らの心が何を求めているかを理解することが大切であると言われるが,実際にはなかなか難しいことである.共感的な交わりが必要であることは分かっていても,若い者の方にも感情がある以上,思うようにいかないことが多い.
しかし老人医療に携わる以上,基本的な態度としては,老人の感情要求を知り,できるだけそれを尊重するようにいつも心がけるべきであろう.老人に接する者の態度について考える上で,私にとって非常に教訓的であった事例について述べてみたい.
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