2色ページ 老年病学・10
老人の心,精神医学
木戸 又三
1
1東京都養育院付属病院精神科
pp.1310-1313
発行日 1973年10月1日
Published Date 1973/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916784
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ほんとうの看護というものは,単に病におかされた体だけを部分的に対象にするのではなく,常に病にかかったひとりの人間全体を相手にしなければならないものであろう.このような心構えは,老人の医療,看護に従事するものにとっては,とくにたいせつなことのように思われる.
それというのも,老人には多少なりとも後で述べるような精神の老化現象が現われていて,若い人たちの感覚とずれているところがあるので,普通の人間的な交流がないがしろにされる傾向がどうしても医師や看護婦の側に生じやすいからである.
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