Japanese
English
特集 音楽療法
障害老人の音楽療法
Music Therapy for The Disabled Elderly
門間 陽子
1,2
Yoko MOMMA
1,2
1リバーパレス青梅
2至誠老人ホーム
1River Palace Oume
2Shisei Home
pp.449-454
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103819
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音楽療法を簡単に言えば,「相手の抱えている問題を音楽の機能の助けを借りながら,ともにより良い方向に向かえるように援助していくこと」とすると,この彼等が抱えている問題とは,老人の場合は何なのであろうか? 初めにこれを踏まえておくのが当然であろう.しかし,老人の音楽療法を始めたのはこの至誠老人ホームが初めてのことであり(それでこのような文を書くことのおこがましさは許していただくことにして)「これこれの障害に対してこのような音楽療法を行ったら,このように変化した」と話を進めるのが正当であろうが,なかなかそのように分析的には書けなかったことを許していただきたい.
この仕事を始めたころは正直言えば,老人の抱えている障害もよくみえていなかった.だからあえて障害老人と言われる方をピックアップした音楽療法を行ったわけでもなく,広く健康な方も含めた老人と音楽を楽しんでいこうと考えていた.しかし,彼等に接しているうちに,人間が老年期に達したとき,外見的には健康に見え,すばらしい力を発揮したり,活発な生活を送っているようにみえている方の中にもある面ではさまざまな障害を抱えつつ,生活していることを老人ホームの仕事をする中で,少しずつ知らされた思いだった.
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