ベーチェット病の看護学生の日記・4
術後はじめての歩行
安藤 より子
1
1順天堂高等看護学校
pp.1086-1087
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918002
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12月29日
とても見晴らしの良い4人部屋.痛みはすっかり消失していたが,母と顔を合わせて,涙することは続いていた.意気地なしになったものだ.
尿意があったのでナースコールを押した.忙しいだろうからと我慢できるだけした.便器を持ってきてくれるだろうと期待していたが,持ってきたのは点滴台だった.聞き間違えたのかな.‘あの,お便器をお願いしたんですが’‘安藤さん,もう歩いて行ってください’‘えっ今からですか’同室者のSさんが‘私は手術して3日目から歩かされたのよ.あんた,もう1週間でしょう.若いんだからしっかりしなさいよ’と言う.ああ,悪い条件だ.膀胱が破裂しそうな時に術後初めて歩くなんて,絶対にできない.一言,朝にでも言っておいてくれたら,もっと余裕がある時に起きてみたのに.
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