特集 看護と薬とのたたかい
くすりを超えるもの
駒松 仁子
1
1国立療養所邑久光明園付属准看護学校
pp.1025-1028
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917989
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者にとって薬とは何か
抗結核剤が発見されるまでは不治の病であった肺結核,現在では死こそまぬがれるようになりましたが,今なお長期療養を必要としています.‘結核は日数のたつのが薬’といわれるように,昔に比べて入院期間は短くなったとはいうものの,薬を飲んでいるからといって,治癒期間を短縮することはできないようです.化学療法・虚脱療法・直達療法が著しく発達しました.しかし大気・安静・栄養を3大原則とする一般療法が根本であるということには変わりないのです.
結核患者にとって,薬とは何なのでしょうか.抗結核剤を飲んだり注射をしていても,ほとんど変化を見いだせないため,患者はいらだちと苦悩の毎日を過ごしています.このような状態にある患者に‘薬とか医師が病気を治す部分は1割か2割くらいで,後はすべて自分自身に備わっている自然治癒力で治るのですよ.そのためには主治医を信頼することが根本です.そして必ず治ると信じるあなた自身の心構えが大きく影響するのですよ’と話します.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.