マイ・オピニオン
言葉遣いと看護
笠原 トキ子
1
1関東逓信病院
pp.893
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917963
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数年前,機会があって著名な美容家Oさんと話し合ったことがある.Oさんには持病があって,1年のうち数回入院を繰り返している.たまたまアメリカ旅行中に持病がおき,知人の紹介で入院することになった.それまで日本の看護婦としか接触していなかったため,看護婦というものはなんと患者との対応がへたなのかと思っていたが,アメリカの看護婦と接してその認識を変えてしまったという.
Oさんが病院を訪れるときは,疼痛をぎりぎりまで我慢して耐えられなくなったときである.かかりつけの病院であり,医師も看護婦も気こころは十分知っている.しかし彼女を迎え入れるときの看護婦は‘また痛むんですか,少しは我慢できないの’と,つっけんどんに突き放すように言い,そうしながらも反面,てきぱきと入院の準備をしたり適切な看護をしてくれる.
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