マイ・オピニオン
看護に言葉を
湯本 玉子
1
1長野赤十字病院
pp.13
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917156
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我々は,日常の看護業務のなかで‘患者中心の看護’という言葉を事あるごとに使っている.しかし最近になって,この言葉のもつ意味の広さに少々抵抗を感じ,反問することがある.現在の看護のなかでは,看護婦本来の仕事である看護処置はもちろん,医療の専門化によって技術的なものを一部荷負わせられ,そのはん雑さのなかで,患者中心の看護をどのよう考えていったらよいのかと考えるのである.
限られた時間の中で行う看護におのずと限界があり,当然のように患者との精神的な関わり合いが無視されていくことは明らかである.私はこのような現実のなかで患者中心の看護を行うには,看護に対する‘信条’をもつべきだと思っている。
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