研究と報告
開心術中における褥瘡防止—手術台のクッション材の比較検討を中心として
川畑 安正
1
1国立大阪病院ICCU
pp.829-832
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917948
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はじめに
ICCUでは,モニター管理や治療の補助に忙殺され,看護技術としての体位変換はおろそかになりやすい.しかし,体位変換・背殿部清拭・背部タッピングの目的が,無気肺等の肺合併症の防止,あるいは褥瘡防止であることを再認識しなければならない.
当ICCUでは,体位変換等の方法で術後の褥瘡防止に努めてきた.だが,そのうち何例かは,体位変換開始時にすでに殿部,特に仙骨部に褥瘡が形成されていた.ところが,ICCUにおける体位変換開始は,血行動態が安定しているのが第一条件となるため,血行動態の不安定な重症例は,ICCU入室時にすでに褥瘡が形成されていても,体位変換開始時は遅れてしまう.
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