研究と報告
小児の入院における不安について—第1報 不安の表現のとらえ方
今野 恵子
1
,
長 カツ子
1
,
佐藤 春子
1
,
若林 ちづ子
1
,
布施 桂子
1
,
石川 摩里子
1
,
鳥井 ウメヨ
1国立小児病院4階東病棟
pp.608-612
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917900
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はじめに
小児の入院に関しては,特定疾患を除いて母親が付き添ったほうが情緒面で安定するということから,最近は母親が付き添ったほうがよいという傾向が再度見直されてきている1).
また,当院の場合のように原則として患児のみの入院の際,一時的に親や家族から離された状態におかれることは,正常な家庭環境の小児にとって,入院環境はむしろ情緒的・精神的にマイナスの可能性が強いといわれている2).そのため,親から離れることによって生じる不安と,新しい環境に適応していかなければならないという子供ながらの自覚と不安が,なんらかの情緒反応を生じさせることは十分考えられる.
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