抵抗の女(ひと)・イーディス・キャベル
リュックス婦長と出会う
高見 安規子
1
1東大看護学校
pp.90-93
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917734
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■ロンドン病院の看護学生に
1896年の夏,ロンドン病院のリュックス婦長は胸をときめかせながら,手もとに届けられた看護婦学校志願者の書類を調べていた。20数通のなかに,イーディス・キャベルのもまじっていた。
「田舎の牧師の娘──いいわ,頑健で質素で信仰心が厚いとなれば,看護婦にはもってこいじゃないの。家庭教師をほぼ10年──ますますけっこう。看護婦には教育者的要素が必要だもの。31歳──少し歳をとりすぎてるかな。でも,丈夫で敏捷に動けさえするなら,若い人たちの薬になってかえっていいかもしれない。ただ,歳の上下に関係なく先輩のいうことには必ず従ってもらわなければならないけれども,それさえ気をつけてくれるなら……」
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