医学と看護
腎盂腎炎患者の看護
入井 キミ
1
1順天堂医院4階病棟
pp.53-56
発行日 1968年6月1日
Published Date 1968/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917486
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はじめに
腎盂腎炎は診断がむずかしく,女子に多い疾患で,悪寒,熱発,頭痛を訴えることが多いため,急性症のものは大体一般開業医を訪れ治療をうける。しかるに,微熱,腰痛の続く慢性症で難治のもの,また再発をくり返す症例は入院する場合が多い。
腎盂腎炎は細菌性によるもので,これには上行性と下行性のものがあり,上行性のものは尿道炎に惹起される。下行性のものは種々の伝染性疾患,たとえばジフテリア,腸チフス,麻疹,他に敗血症,扁桃炎などである。起因菌としては,感染症50〜60%が大腸菌で,このほか連鎖状球菌,ブドウ状球菌などによる。症状としては,上記のほかに全身倦怠,食思不振,発熱,腎臓部疼痛,重篤になれば嗜眠,せんもうをおこす。
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