ベッドサイドの看護
発作を繰り返す長期入院の喘息患者への援助—その人間関係を中心に
秋田 和子
1
1九段坂病院内科病棟
pp.1231-1234
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917393
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はじめに
内科病棟における気管支喘息患者は少なくない.大人の喘息は,小児の喘息ほど大きな発作は少ないが,入院治療してもなかなか症状が軽快しない.喘息全般に言えることだが,精神的なものが発作の大きな誘因となることが多い.ここに挙げる患者は,発作を何度も繰り返した問題の多い患者であったが,‘治さなければ……’という本人の自覚と精神的安定,ステロイド療法などにより約1年間の入院生活を終えることができた.
私たちは,この患者の問題点と取り組みながら,誘因となるものをできるだけ除去し,退院に導こうとした.当患者の性格がわがままで気が強いためか,周囲の人との間に諸問題が生じ,それが発作の誘因になったとも考えられる.それで,その諸問題を医師・看護婦・同室者・家族および当患者自身とに分けてみた.解決できなかったものも幾つかあるが,私たちなりにどのように対処したか,ここに述べたい.
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