演習 —内科専門医のによる—実践診療EXERCISE
労作時の呼吸困難/食事毎に繰り返す喘息発作
塚本 玲三
1
1茅ケ崎徳洲会病院・呼吸器内科
pp.1475-1478
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221065
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74歳の男性,無職.3〜4年前より階段を昇る時に息切れがあるのに気付いているが,日常生活に支障はなかった.本年11月になってから,特に寒い日に,平地歩行に際しても呼吸困難が現れるようになったため,精査治療を希望して外来を受診した.なお,安静時には何ら苦痛はなく,咳や痰もない.過去5〜6年で約10kgの体重減少があり,1年前まで40年間毎日40本の喫煙歴がある.飲酒は好まず,職業歴や家族歴に特記すべきことはない.
診察所見:身長155cm,体重38 kg,体温36.4℃,脈拍78/分,整,血圧134/80,呼吸数17/分.呼気時に座位で軽度頸静脈怒張あり.結膜貧血なし.吸気時に肋間および鎖骨上窩の陥凹あり.胸郭は前後径が拡大し,打診上過共鳴音あり.横隔膜の呼吸性変動は約4cm.心濁音界はやや縮小し,心音は低下し,心雑音やギャロップはない.前下胸部の拍動性隆起なし.
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