マイ・オピニオン
継続教育について思うこと
南 裕子
1
1高知女子大学
pp.1073
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917365
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この夏,高知県のナース37人とともに,通訳としてアメリカ合衆国の西海岸を訪れた.短期間の駆け足旅行で,観光も施設見学もあわただしいうちに終えたが,この国はいつ訪れても,自分の身がひきしまるような経験をさせられる.1年半前に3か月間,カリフォルニア大学に聴講生として出掛けた時は,大学教員の地位の厳しさを知った.この国では,毎年または2年ごとに契約が取り直され,そのために審査を受けるシステムになっている.一度就職してしまえば,特に異常な行動が表面化しない限り,停年までサラリーと地位の保障される我が国の大学教員生活に慣れた者には,このシステムは厳し過ぎると思えたし,反面,甘え過ぎていた自分自身を反省したりもした.
今年の旅行では,その厳しさが看護職に及んでいることを知らされた.訪問したどの病院でも話題になったことは,ナース(RN)の継続教育についてであった.すなわち,現在臨床や公衆衛生の場で働いているナースで,1978年以降にもその免許を保持したい者は,様々の大学や施設で開講される講習会に出席して,必要な単位を取得することが求められるというのである.これは,日々目覚ましく発展する看護のレベルに対応できるように,1人1人のナースが自分の分野の知識と技術を向上させることを目的としたものであるという.1978年以降は,2年ごとに必要単位を取得したかどうかが点検されるという話だ.
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