グラフ
心のひだにふれる看護—神奈川県立長浜療養所
伊笠 美代子
pp.1512-1519
発行日 1973年12月1日
Published Date 1973/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916820
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‘とうびょう’という深刻な また悲壮感さえただよう言葉はもう今の結核病院にはそのままではあてはまらない.早期発見早期治療の方針が徹底した今 結核という言葉の持っていた暗いイメージは 社会においてすら薄くなっている.そしてそれが治る病気だという意識 療養に経済的負担がかからないという現状が なお一層療養者の表情を明るいものにしているのだろう.
しかし いくら治る病気 社会に完全復帰できる病気といっても 入所者は絶えないし罹患年齢は一定していない.そしてどんな軽い人でも 入所したら最低6か月はいなければならない.健康な者にとっての6か月と比べると 療養者の6か月はまさに耐えること 自らとの闘いの日々である.そしてこの闘いにこそ 看護が絶対的に必要なのである.
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