ベッドサイドの看護
意識障害のある患者の栄養管理
山中 知代子
1
1武蔵野赤十字病院混合病棟
pp.144-147
発行日 1975年2月1日
Published Date 1975/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917182
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Ⅰ.意識障害患者の経管栄養について
疾患の回復期にある患者にとり,経口栄養は栄養学的にも最善の方法であるが,意識障害があったり,口腔手術などのために物理的にそしゃく運動の制止を余儀なくされている場合には,そしゃく経口栄養は不可能である.
この場合は,経管栄養か経静脈栄養にたよらねばならないが,これとても長期にわたる時には,静脈炎や患者の苦痛などの問題もあり,その期間はおのずから制限されてくる.これまでも長期にわたる意識障害のある患者に対しては,主として経管栄養が用いられてきたが,これでは栄養の投与方法は一応解決されても,投与物質が従来のMa 5やアミココのようなものでは栄養の偏重をきたし,その期間が長期にわたればわたるほどそのゆがみは大きくなって,疾患の回復にも大きな障害を生ずることになる.
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