看護婦が患者になる時
100日間の入院雑感
海口 ひとみ
1
1名古屋市立大学看護学校
pp.794-795
発行日 1974年7月1日
Published Date 1974/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917062
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昨年の2月半ばころから時々胃痛や不快感があった.だが疲れやストレスの蓄積であろうとさほど重大には考えなかった.しかしいよいよ胃痛が激しくなり,我慢できなくなって4月末に外来で受診した.下垂以外は胃の方は異常なかった.それでもやはり痛み,食欲不振,不眠,体重減少が続いて5月24日にやむなく入院した.診断名は‘神経性食思不振症’で主治医も‘ストレスからのもので1か月も休養すれば良くなるだろう’と考えていたようだった.
しかし入院後も症状は軽くならず,激しい痛みで予定した検査も中止になることが多かった.かろうじて輸液1500mlで脱水になるのを持ちこたえた.経口的に栄養を取らなければとどんなに努力しても食事は苦痛であった.連日の鎮痛剤や眠剤,腹膜炎予防の抗生物質などの注射で筋肉もコチコチになったころ,突然40℃近い発熱,その熱が2日間続いて自分で起き上がることもできなくなった時緊急手術が決まった.6月29日である.
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