特集 高度医療のなかの看護
ICUのなかの人間看護
田島 桂子
pp.625-634
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917029
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Ⅰ.はじめに
“ICUのなかの人間看護”というテーマを手にした時,まず考えたことは,患者の理解とその看護ケアの展開の必要性であった.とっさにこれらのことを思い浮かべたということは,日ごろ患者が物々しい周囲の器械類に威圧されている情景,その中に器械的な治療・看護の域を出ないICUの現状に憂いを感じていることにもよろう.
このように治療・看護の場において,人間(患者)を疎外する要因は,社会の変化,科学工業技術と病院の機能とのかかわり,その中における医療スタッフの役割についての十分な検討段階を抜きにして,ICUの管理がクローズアップされてきたことによるのではないかとも考えられる.
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