2色ページ ホメオステーシス入門・4
器官・細胞の自治としての自己制御性
畠山 一平
1
1北里大学医学部・生物物理学
pp.472-475
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916999
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生命単位
現在ほど環境と生命との関係が深刻な問題となったことはかつてなかった.生態学(ecology)という言葉が一般人の口にのぼるようになり,バイコロジーなどというエコロジーをもじった造語までされるようになった.人間による環境破壊は生態系を混乱に陥れ,当の人間の生活自身がおびやかされる.人類のための世界は人類の独善では成り立たず,全生物,そして物理的環境との協調,調和によってのみ成り立つという,当然の法則をわれわれは如実に思い知らされている.
ホメオステーシスが生命の維持を意味する限り,ここでもそもそも生命とは何かという,最も基本的な問題を省みる必要があるであろう.
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