マイ・オピニオン
看護技術の科学化
氏家 幸子
1
1大阪大学医療技術短期大学部看護科
pp.453
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916292
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看護制度に関する討議が,昨今,全国的な規模で行なわれており,それを通した看護の独自性がふたたび問われている.この独自性については,種々の論議があろうが,私は‘人間の健康に対してアプローチする専門的な母親としての役割’と考えている.母親の役割と看護との関連については機会があれば論じるとして,専門的というのは単に本能的や経験的でなく,その実践行動が科学的に証明されたものでなければならないと考えるからである.
一見,誰にでもできそうに感じられている看護の技術,特に手技については経験的に有効な技法で実践されている例が多い.しかし経験のみでは,専門的とも科学ともいい得るものではなく,それを証明し普遍性のあるものにすることが必要である.つまり,看護研究の発達が望まれる.
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