カラーグラビア メディカル・ハイライト
新知見の豊富な実験胃ガンの研究
宮野 晴雄
1
1読売新聞科学部
pp.6,67-69
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916193
- 有料閲覧
- 文献概要
実験的高血圧症,実験的糖尿病,実験的胃カイヨウ…と,近ごろ“実験的○○”というのがいろいろ登場している。本態が不明な病気のナゾに迫る第1着手は,人間のと同じような病気を動物につくることにはじまる。これを人間の病気のモデルとして,その成り立ちの研究をはじめ,薬剤の効果判定などを含む診断治療の手がかりをえようとするのが医学研究の常道である。
ガンの分野でも,ようやく実験的胃ガンが確実につくれるようになった。ニトロソグアニジン(NG)という化合物を飲み水に溶かしておき,動物が好きなように飲むうちに胃ガンができるというごく自然な与え方だ。イヌのような大型動物にも,人間のとよく似た悪性度の高い胃ガンができるので,人間さまの場合と同じレントゲン撮影や内視鏡検査がやれるとあって,基礎と臨床の研究者が一緒になって,胃ガンがどうしておきるか? カイヨウとガンとの関係はどうか?などを調べはじめた。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.