臨床化学分析談話会より・72<関東支部>
リポ蛋白の豊富な最新知見—リポ蛋白の基礎と臨床
大竹 皓子
pp.917
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915196
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第222回臨床化学分析談話会関東支部例会(1979.5.15)は東大薬学部講堂で開かれた.今回は"リポ蛋白シリーズ"の第1回目で,①リポ蛋白と臨床と題して慈恵医大・内科の中村治雄先生,②虚血性心疾患と血清脂質と題して虎の門病院・循環器内科の山口洋先生に,主に臨床面からみたリポ蛋白の問題について話題を提供していただいた.
はじめに中村先生は,リポ蛋白の種類,構造と機能及び動脈硬化症や虚血性心疾患との病態生化学的なかかわりについて解説された.動脈硬化症と言えば,動脈壁へのコレステロールの沈着によることはよく知られているが,この病態を理解するうえでは,コレステロールやTGを豊富に含有する低比重リポ蛋白(LDL,VLDL)が生体内でいかなる代謝を受けているかを解明することが重要なかぎであり,近年ようやくその代謝メカニズムが明らかにされてきた段階であると述べられた.
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