視・聴・画
〈ピンク映画〉の活力,他
松田 政男
1
1「映画批評」
pp.108-109
発行日 1971年10月1日
Published Date 1971/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916161
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先月号にひきつづき,〈ピンク映画〉について書く。──現代を特徴づける三つのSというと,ひとは誰しも,スピード・スリル・セックスを想起するであろうが,〈ピンク映画〉の暗闇のなかには,スリルというよりも,むしろもっと直截に,ヴァイオレンス(暴力)が登場してくるから,その特徴は,二つのSと一つのVと規定しておいたほうがよいかもしれない。
いや,スピードというのも,たとえば,疾走するオートバイというようなありきたりのイメージで考えると間違いだ。それは文字通りのスピードなのであって,かの若松孝二監督の場合,昨年における二つの大事件──ハイジャックと三島割腹でさえも,否やもいわせず映画化してしまうのである。
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