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ずいひつ—薬の失敗
柏原 兵三
pp.118-119
発行日 1971年6月1日
Published Date 1971/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916068
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昭和40年の8月の末に2年間のベルリン滞在をあとにして妻と2歳半になった長男と共に帰国する時、ロンドン、エディンバラを訪ねて、コペンハーゲンからSASで日本へ帰ることにした。ヨーロッパの中は何度か家族と共に小旅行をして、主な都市はかなり訪ねていたが、イギリスはまだそれまでに一度も訪ねたことがなかったのである。
ところがエディンバラに到着した日の午後子供が下痢し出した。思いあたるふしはあった。ロンドンのハイド・パークで食べたアイスクリームが余りにおいしかったので、つい気を許し1日に2個も与えたのがいけなかったのである。しかもひとつの量が子供にしては、いや大人にとっても大き過ぎる程だったのに、それも注意しなかったのである。そのことはすぐに思いついたが、しかし後悔しても後の祭りだった。ふだん子供の健康には夫婦共にずいぶん気をつかっていたつもりだったが、やはり帰国をかねた旅行だったので気がゆるんでいたのかも知れない。
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