ほんやく
—AMERICAN JOURNAL OF NURSING VOL. 70 NO. 11—膀胱と腸の機能維持/家族への指導が重要
L.L.チューダー
,
藤本 佳代子
1
1高階心臓病クリニック
pp.42-47
発行日 1971年6月1日
Published Date 1971/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916053
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先天性あるいは外傷により,脊髄に損傷のある患者のリハビリテーションにおいては,腸と膀胱の機能訓練が,最も重要です。排泄に関して,ある程度の訓練効果が得られるほどに考慮されていなければ,日常生活における患者の状態は,ほんとうに陰気で,望みの少ないものです。失禁は,単に社会的に制限を与えるばかりでなく,自己の独立性をも鋭くきりつめてしまいます。このことは,教育の続行や仕事,あるいは,単に自分のまわりの日常生活のなかに生きてゆくためにもいえることです。多くの麻痺患者は,単なるハンディキャップから生じる原因よりも,それ以上に腎機能障害のために死亡していますが,その点からも,このプログラムを行なわない生命は危険にさらされているといえます。
6年前,Westfieldの小児専門病院において,特別な腸と膀胱リハビリテーションプログラムが設置され,1968年の中頃から,そのプログラムは,外来形式で成人にも行なわれるようになりました。1968年12月5日には,千人の患者が,この治療を受けるために,泌尿器科外来に登録しました。大きな病院においては,このような数は,あまり意味がないかもしれませんが,40床のリハビリテーションユニットを有し,身体障害児の集中的な治療を行なっているこの小児専門病院においては,重大な意味があります。
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