Hello Nursing・2
外国への第一歩
姉崎 宜子
1,2
1日赤短大
2東洋大学大学院修了
pp.94-96
発行日 1970年5月1日
Published Date 1970/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914884
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□ナホトカからハバロフスクヘ□
ナホトカ港に降り立ち,3日ぶりに,しかも生まれてはじめての異国の大地を踏んだ。バイカル号からの客は全員待ち受けていた5台のバスに分乗した。バスは英語のガイドと日本語のガイドつきに分けてあった。私と夫はN先生一家と一緒なために,英語のガイドつきのバスに乗った。バスはハバロフスク行きの夜行列車に乗るために,ナホトカ駅に向かうのであるが,時間に余裕があるためか,街の中心地を巡回して観せてくれた。同乗した日本の一青年が,ガイドに写真を撮ってよいかと尋ねると,なぜそのようなことをきくのかといわんばかりに,なんでも撮ってもよいと答えた。街のところどころに日本の団地のような労働者住宅が建ち並び,それらの住宅に通じる道を,ちょうど一日の勤労を終えた人たちが家路を急いでいた。それらの人たちのなかには,中年の主婦と思われる人々もたくさん混っていた。しかも,彼女たらの体格の立派さには,一驚せざるを得なかった。街には広告のごときものはなく,街も人も質実剛健といった印象を受けた。
ナホトカ駅に着くと,すでに汽車は待っていた。プラットフォームは低く汽車に登るのである。車輛は,ガッチリとしたできで豪華であった。寝室は二等が片側に二段ずつで4人。一等は片側一段ずつで2人部屋であった。
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