特別掲載
看護における創意工夫と人的開発
安田 千代子
1
1大森赤十字病院看護部
pp.78-85
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914682
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I.はじめに
人類初の月着陸に成功したアポロ11号は,無事地球に帰還した。その2〜3日後の新聞に「サラリーマンよ 創造力を鍛えよう」という記事がのり,“アポロ11号の成功を支えたのはコンピューターの活躍であるが,これほどすばらしく敏速で正確で,しかもこれほど愚かなものはない。それにひきかえ,人間はなんとのろまで不正確で,しかもなんとすばらしい英知を持っていることか”と書かれていた。もちろん人間とコンピューターの相違は「考える」「120%努力する」「創造する」ことのあるかないかにある。
世のサラリーマンでなくとも,私たちの一人一人に「考えること」「創造性」が求められるのは当然のことといわねばならない。考えるという内容は,まず新しい何かをもとにして情報を収集し,整理し,皆で討議し,選びぬかれた材料を評価して,初めて考えるという作業が始まるのだともいう。
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