セミナールーム・法医学
血痕らしいもの(その2)
江下 博彦
pp.60-61
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914677
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現場の血痕
事件または事故の現場における血痕付着の状態(位置,配列,形状)を追及することにより,当時の状況を推察できる場合が少なくありません。たとえば,犯行現場では,被害者,加害者の位置,加害の方法などまで推定しうることがあります。また轢死死体では自・他殺(生前轢断か死後轢断か)の別をも鑑別できることがあります。
血痕の付着のしかたには噴射状,落下状,擦過状,接触状と種々雑多であり,壁や障子やふすまなどに飛散したものは,その距離や角度や速度や血量によってそれぞれ異なった形状を呈します。
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