医学と看護
術後肺合併症の予防と治療
松崎 孝世
1
,
西井 博
1
1徳島大学医学部第1外科
pp.45-51
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914401
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はじめに
近年外科学の進歩はめざましく,麻酔学や輸液療法,化学療法を中心とする術後管理の発達,改善とあいまって,従来,きわめて死亡率が高く,予後不良とされていた新生児,高齢者,poor riskの患者に対する手術も積極的に行なわれるようになり,手術成績も向上の一途をたどっている。
しかしながら,術後における肺合併症は依然として発生頻度が高く,患者の術後経過や予後を大きく左右する,重大な因子であり,われわれ外科医にとっても,その予防,早期発見,治療のもつ意味は大きい。したがってこの肺合併症の問題には病棟においては,主治医はもちろん,術中,術後の呼吸管理を担当する麻酔医や,看護婦からも深い関心がもたれているのは当然であり,その相互の積極的な協力により,その予防・治療の実があがることは申すまでもない。本稿では,術後肺合併症の病態生理のあらましと,われわれの行なっている予防法,治療法の概略をのべてみたい。
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