医学と看護
口唇形成術(主として口唇裂)の術後管理
西本 ヨシノ
1
1北大病院皮膚科
pp.53-56
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914233
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はじめに
口唇は食事の摂取,発音ならびに美容上などの観点からみて,特異な機能を有する器官である。したがって口唇の外科手術患者の看護にあたっては,他の部位にはみられない特異な問題点がある。とくに最近の口唇形成外科手術では,口唇の単なる小部分の切除,縫合のみに止まらず,広汎切除,広汎植皮あるいはAbbe法による口唇皮弁回転術などが行なわれているので,よりいっそう的確な術後看護が要求される。さらに口唇奇形,とくに唇裂の手術対象は主にして乳児であるために,成人とは異質の看護上の問題点が提起される。
最近数年間にわたって,私たちは唇裂を含む多数の口唇形成外科手術患者を看護する機会を得た。私たちはこれらの患者の看護にあたって,独自に考案した看護用具を試用し,また種々の点で看護の実際に改良を試みてきた。今回は唇裂を主とする口唇形成手術患者の看護の要点についてのべるとともに,私たちの行なっている看護の実際を紹介したい。
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