日本の女性はしあわせか・9
保育園と母子寮
村松 博雄
,
吉武 輝子
,
松村 澄子
1
,
今尾 貞夫
2
1長橋産婦人科
2東京厚生年金病院
pp.57-60
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914234
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子供は誰のもの
子供は夫婦個人のものであると同時に,国家社会という大きな集団組織のなかではその集団の共有物でもある。
ところが日本では利用する時には国のものであり,出産・育児・医療・教育などの過程においては個人の責任というご都合主義に貫かれている。
そのよい例をあげれば,過去の戦争中に弾丸代りのたくさんの兵隊を必要とした時は,“生めよふやせよ”のかけ声も勇ましく“子は国のたからである”ことを強調した。そのために起こる貧乏の子だくさんに対してはごくわずかながら,ミルクの無償配給とか援助の手を差しのべていたようであるが……。
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