医学と看護
尿管皮膚瘻術を受けた患者の家庭管理
浜田 文子
1
,
菅原 広子
1
1東北大学付属病院泌尿器科
pp.51-54
発行日 1968年9月1日
Published Date 1968/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914117
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
膀胱腫瘍で膀胱全摘除術を施行した場合には必然的に尿路変更術が行なわれるが,尿管皮膚瘻術は,そのうちの一方法である。本法が実施される理由としては臨床的に種々の条件があるが,特に手術侵襲を少なくすることが最大の目的である。したがって高齢者ならびに全身状態の低下している状態の患者には主としてこの方法が行なわれる。しかし実際に,この手術をうけた患者は,尿管に挿入されたゴム管から常に尿が流出している状態を一生つづけなければならず,日常生活にはかなりの制約が認められる。ネラトンの固定の仕方,採尿袋の取扱い,何時つまるかという不安など,患者にとって切実な悩みがあり,しかも尿管皮膚瘻術後の長期にわたる管理をおこたれば胃機能低下をきたし,死期を早めることにもなり得る。したがって家庭での管理をより安全により簡単に行なわせることが重要で,そのための系統立てた指導の必要性が痛感された。よって昭和40年までの6年間に施行した尿管皮膚瘻術の症例のアンケートをとり,患者自身の経験や,問題点をまとめ,それにもとづき指導要綱を作成したのでここに報告する。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.