特集 看護における患者指導
体験レポート
わたしの患者指導
家族の協力を得て—入院・退院指導の体験から
鵜飼 昭子
1
1公立岩瀬病院
pp.34-36
発行日 1968年5月1日
Published Date 1968/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913976
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
日頃他家を訪問する場合,初対面であるほど応対の印象は良きにつけ悪しきにつけ心に残るものではないだろうか。入院の場合も対象が病院に変わり,さまざまな動機をもった患者が入院する。それぞれ背景は違っていても,未知の社会に入る時の心理状態には共通点がある。そのうえ対象とする病院が日常の生活をかけ離れた機構であればあるほど,不安もまた大きなものになると思える。
日頃の入院退院指導にあたり,患者のニードがどの程度満たされているだろうかと考える時,必ずしもよい答えばかりは期待できないだろう。そのむずかしさの一つとして,患者はそれぞれの社会的背景をもった個人であるのに対し,病院における看護業務は個々の細かな要求まで満たす体制には実際面としてなかなか困難な現状にあることがあげられると思う。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.