特集 看護における患者指導
体験レポート
わたしの患者指導
医師・家族・ナースの話し合いが必要—家族指導体験から
香田 富美子
1
1佐世保市立市民病院産婦人科
pp.32-34
発行日 1968年5月1日
Published Date 1968/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913975
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患者をとりまく家族の大きな影響をうけ,毎日の治療がすすめられている現在,まずこの家族について考えてみたいと思う。関係する家族はいろいろあるが,小児の場合はとくに両親がわが子の病状の伝達者になるわけで,父母が心理的に病人そのものになっている。これは小児の家族のみならず病人の家族全般が,多かれ少なかれもっている心理である。家族は病人以上に病気のことを気にかけ,病態や養生法などについて廊下まで追いかけて,しつこく聞きたがるものである。また他の患者よりも特に親切に面倒をみてもらいたいという欲がある。また家族の中には町の有力者であったり,逆に劣等感をもっていたりする人がいて,看護婦に対して権力風をふかせたり,横柄に威張りかえったりする。
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