Nursing Study
先天性股関節脱臼の保健指導/講評 本誌看護研究委員会—意義ある外来健康教育への自覚
長田 滋子
1
,
上島 房江
1
,
関 恵美子
1
,
山口 智惠
1
,
渡辺 千枝子
1
1新潟県立中央病院付属高等看護学院
pp.84-88
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913597
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I.研究の動機と目的
当院における過去5年間の先天性股関節脱臼(以下LCCと略)の受診,治療状況を見ると.治療の放置,不明というものが平均して9割位認められる(第1図),これは治療を中断したり,治療法を怠ったり,転医したものを示すが,外来でのナースによる指導が行なわれていたならばある程度防ぐことができたのではないかと思う。私たちは整形外来実習でLCCのギプス固定患者の多いのに驚きまた小児科外来では,「どうも歩き方が変ですので」と訪ずれるお母さんの多いのに直面した。肢体不自由を来す疾患のうちでLCCは1割強を占めるものであり,早期に発見し治療を行なえば完全に治るものである。またギプス固定をした患者は1ヵ月に1回巻き換えに来院するが,いろいろとわからないことを解決する機会に恵まれていない。
以上のような問題点から,お母さんたちにLCCについての基礎的知識を与え,ギプス装用時の注意およびしつけの仕方などについて指導することにより治癒の促進を図ることを目的として研究を進めていきました。
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