Ⅰ.護看の視野を海外に広めて
看護の道
今村 栄一
1
1国立東京第一病院小児科
pp.16-17
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913337
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20年の流れ
戦後,戦後といっているうちに,ふた昔を過ぎてしまった。保健婦助産婦看護婦法が施行されてから,まもなく20年となる。当時看護学校で学んでいた人は,いま婦長として活躍し,当時新しい看護の道を開くのに苦労した人は,いま総婦長として成果をおさめつつある。医師として,この20年あまりの変動の中を歩いてきた私にとって,パートナーである看護の変化には深い関心を持つものであり,また影響も感じている。
現在の若い看護婦さんにとっては,今の看護はまとまった体系を持ち,よりどころのあるものとして信頼しているであろう。しかしこの20年間を歩いてきた看護婦さんは,日本の看護はこれでよいのかと,一歩一歩道を探しながら来た思いがするのではなかろうか。アメリカから与えられたものが,最高のものなのだろうか,それが日本の状況にうまくあてはまるものだろうか,という疑問から発して,なんとかして自分たちの看護を打ち立てようと努力してきた姿を,私は思いおこすことができる。
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