今月の主題 腎疾患—早期診断から管理まで
質疑応答
悪性高血圧にβ遮断剤はどこまで増量できるか
多川 斉
1
Hitoshi Tagawa
1
1三井記念病院・内科
pp.461
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218947
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悪性高血圧とレニン分泌
著明な高血圧によって乳頭浮腫と細動脈の線維素性壊死を生じ急速に腎不全に進行する病態を,悪性高血圧と呼び,表に示す診断基準によって定義されている.本症は疾患単位ではなく症候群であり,本態性高血圧症のほかに,腎性高血圧など二次性高血圧症によっても起こる.悪性高血圧では一般にレニン・アンジオテンシン系が亢進している1).これは,著しい高血圧による血管病変が腎血流を減少させ,傍糸球体装置からのレニン分泌が増加するためである.レニン分泌の亢進はさらに血圧を上昇させ,悪循環が形成される.
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