Medical Topics
交感神経αおよびβ受容体,他
K.K
pp.92-93
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913256
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交感神経刺激やアドレナリン注射により血圧が上昇し心拍数が早く,心臓の収縮力も強くなることは周知のことであるが,この交感神経受容体receptorにはαとβの2種類がある。
たとえば実験的に下肢の動脈にアドレナリンを注入すると,血管は収縮し血圧は上昇するが,麦角アルカロイド(エルゴタミソ)をあらかじめ与えておいてアドレナリンを注入すると,血管は逆に拡張する。このようにアドレナリンには血管を収縮する作用と拡張する作用があり,血管収縮はα受容体に対する作用,血管拡張はβ受容体に対する作用を示している。一方心臓では心拍数を早くしたり,心筋の収縮力を強めるのはすべてβ受容体の作用で,心臓の興奮伝導の促進もβによると考えられている。
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