ドクターの想い
退職金がやれなくて気がとがめる—看護婦にして女医,岡田志づ女史の死
落合 国太郎
1
1名古屋市立東市民病院
pp.94-95
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913089
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□チフスの届け出を忘れる
わたしが名大勝沼内科にいた頃である。同じ内科に岡田志づという看護婦がおった。特に別嬪というほどではなかったが,一応顔かたちは整い,性格は明朗で,愛嬌があり,その上頭が非常によかった。看護婦としては次席で,上に川澄という大婦長がおった。
婦長は別として勝沼先生は岡田が非常にすきだったように見受けられた。婦長がおらない時は岡田が鞄を抱えて先生のお帰りを玄関の人力車まで送ったのが今でも目に浮かぶ。長い看護服を着てスリッパをはいて。
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