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看護用具の工夫 試作受尿器の使用経験
高野 ふみ子
1
1東京医科歯科大学医学部付属病院
pp.73-75
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913081
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まえがき
尿管皮膚瘻造設術は,泌尿器科領域において最近次第に増加の傾向が認められている。尿管皮膚瘻造設術とは,尿管を適当なところで切断し,適当な部位で皮膚と縫合固定し,この尿管内腔にカテーテルを挿入し,ここから尿の排出をはかる方法をいう。この手術の対象となる疾患は,主として末期の膀胱癌,難治の膀胱腔瘻,尿道癌,骨盤臓器癌の膀胱浸潤などである。しかしながら,この手術を受けた患者の最大の苦痛は,永久に排尿を意識的に調節できず,絶えず不髄意的に流出する尿の処置に難渋することである。実際このような患者は,このために社会復帰が遅れ,退院後も十分な家庭生活も営めない現状である。
私は泌尿器科病棟勤務中このような患者の状態をつぶさに観察し,患者の苦痛を見るにつけ,これに対する何かよい方法はないものかと考えさせられたのである。
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